一般財団法人 地域文化振興会
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石川薫記念地域文化賞受賞者特別講座②を開催しました。

更新日:2018年11月21日

第2回「上野三碑と古代寺院」

講師 松田 猛 氏(第25回研究賞受賞者)

本特別講座は、学術情報をより身近なものにとの意図から、サロン形式で開催し、石川薫さんと地域文化賞について、そして講師の松田猛さんの紹介がありました。

はじめに、ユネスコ「世界の記憶」登録1周年を迎えた「上野三碑」の形態や文字の特徴、記された内容などについて簡潔にまとめたお話がありました。そして、681年に建てられた山ノ上碑に刻まれた放光寺について、同名の寺が平安時代に成立した「上野国交替実録帳(こうずけのくにこうたいじつろくちょう)」と呼ばれる史料に、国分寺に次ぐ定額寺という寺格を持った寺として記されています。また、前橋市総社町に所在する古代寺院跡の山王廃寺跡の発掘調査等から、伽藍の規模、軒先を飾った瓦や「放光寺」と書かれた瓦、石製鴟尾・根巻石などの内容豊かな出土遺物が明らかになりました。そして、時期を一にして造られた宝塔山古墳・蛇穴山古墳との関係から、強大な勢力によって建立され、7世紀後半から11世紀まで維持された東国を代表する大寺院、放光寺であったことがわかったのです。この350年の時を隔てた史料に認められる2つ放光寺が山王廃寺を介することによって結び付けられ、放光寺が山王廃寺であることを分かりやすくお話ししていただきました。休憩時間には、講師と参加者がお茶を飲みながら懇談し、和やかな会となりました。

日時 平成30年11月11日 13:30~15:30
会場 ノイエス朝日
参加 30名
司会 唐澤至朗 理事

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